時間=資本という考えが腑に落ちない理由
「時間の使い方」は僕の一大関心テーマでもあるので、この記事を興味深く読みました。
「時間を有効活用して自己投資に割り当てようぜ!」という趣旨の記事ですが、全くもって正論にもかかわらず、なにか腑に落ちません。はてブなどのコメントも、「そりゃわかっちゃいるけど…」みたいな意見が多数。
この腑に落ちなさはなんだろうと考えていると、それはきっと筆者が持ってる「時間の有効活用=未来への投資」というアナロジーが共有されていないから、なんだと思います。
他の記事を読めばその前提は明らかなんですが、筆者は明らかに時間を投資と同じ論理で考えています。
意識的に行動することで投資に振り向ける資本を増大させ、投下資本とリターンを把握した上で長期的なリターンを狙っていくことは資本を時間に置き換えただけで投資の鉄則と同じことです。
まさに時は金なりですね。
実践して分かった「時間管理」の効用
「現在時点で正しく資本を投入(時間を有効活用)すれば、時間の経過とともにより大きなリターン(成長)が得られる」という論理。投資の考え方としては、ごくごく一般的なものだと思います。
ただ、時間という観点で見たとき、そういう感覚を実感として持っているという人は、案外少ないんじゃないかと思うんです。「かつてコツコツと積み重ねた時間(努力)が、ある時実を結んだ」という体験を、意識的に生み出した人は、何の世界でもそれなりに大成した人でしょう。特にある程度成長してから始めた積み重ねは、若い人だとまだ成果を生みだしていないことが多い(と考えられます)ので、実感として感じにくい。
「司法試験のための勉強」のように、職業に直結している時間の使い方ならある程度リターンを想像することもできます。ただ、「英語」やら「会計」の勉強をした時に、どの程度リターンが得られるか、というのは、かなりあやふやで、はっきりと測定することも難しい。
だから、「適切に時間というリソースを投入すれば、やがて大きなリターンに結びつく」と言われても、「はあ・・・おっしゃるとおりでございます」となってしまうんじゃなかろうか、と思います。論理としては正しくても実感として持てない。
だからこそ、「時間を有効に使おう」という時には、「そしたら未来にこんな大きな果実が手に入るよ!」ということをリアルに想像させるツールが必要なのかもしれませんね。もしくは、そういう未来をリアルに想像する訓練を積むことで、時間管理はうまくなるのかも。