TOEIC?

「頭を良くするために、東大を受験しましょう」

こういってしまえば『ドラゴン桜』の台詞みたいだが、なんとも馬鹿らしい台詞である。頭を良くするために東大を受けるのではなく、頭がいいから(成績がいいから)東大を受けるのであって、まるで順番が逆だ。



最近、これと似たような話を会社で聞かされた。


うちの会社で若い社員向けに、TOEICの受験が義務づけられたのだ。グローバルな視野をもった社員の育成を、という旗印らしい。どこぞの某楽天にあてられたのかもしれない。


国際的な人材の育成、という点は、まあいい。TOEICについては、どっちにしろ近々受けようと思っていたところなので、自分で申し込む手間が省けたともいえる。会社である以上定量的な指標が必要だろうから、「TOEICでは本当の英語力は測れない」などと言うつもりもない。


でもまあ、順番が違うよな、と思うわけです。


国際的な人材を育成した結果、企業全体の英語力が上がる、というならわかる。だが、まずTOEICの受験ありきというのは、なんとも妙だ。


聞けば、TOEICの点数を底上げすべく=全体の英語力を底上げするような教育などは、特に考えられていないらしい。e-learningをするとか、自社ビル内に英会話教室を作るとか。なんだかなあ。


似たように、TOEICの受験が義務付けられていたり、昇進とTOEICの点数が関係している企業もあるとのことだが、なんともバカバカしいというか……。ただ受けるだけならばいいけれど、数百人単位で受けているので、お金も百万単位でかかっているはず。


その経費を得るために必要な仕事の量を考えると……なんとも溜息のでる施策です。